2026年5月29日、株式会社DEPARTUREは全社会議を実施しました。全社員が集まり、今後の事業の方向性や各事業部の報告、ワークショップを行いました。

本記事では、当日の基調講演資料のみを公開しています。各スライド画像とともに、講演時のトークスクリプトを掲載します。

基調講演

テーマは「AIが当たり前になった時代に、私たちは何で勝つか。」です。道具は全員に配られた今、腕と頭の使い方、そしてAIをチームとして動かせるかどうかが差になると伝えました。

基調講演タイトル「AIが当たり前になった時代に、私たちは何で勝つか。」
スライド「ChatGPTやClaude、使ったことがある人?」

まず聞かせてください。ChatGPTやClaudeを使ったことがある人、手を挙げてもらえますか。

(挙手を見て)

ありがとうございます。

実はこれ、私たちだけじゃないんです。お客様も使っています。競合他社も使っています。今や誰でも使えるツールになった。

つまり、AIは全員に平等に配られている。

その前提でちょっと厳しい話をします。

スライド「同じツールでも、アウトプットに差が出始めている」

同じツールを使っているのに、アウトプットに差が出始めています。お客様自身がAIを使って、私たちに頼まなくても自分でできることが増えてきている。

これが意味することは一つです。

私たちのアウトプットがAI以下なら、私たちがいる意味がない。

今日はこの現実から目を背けずに、じゃあ私たちは何で勝つのか、一緒に考えたいと思っています。

スライド「人月モデルの終わり」

私たちの業界には「人月」というビジネスモデルがあります。人を増やせば売上が伸びる。たくさん手を動かせば価値になる。そういう時代でした。

そのモデルはもう終わります。

今は、10人で100時間かけて作ったものより、1人がAIをうまく使って10時間で作ったものの方が価値が高い、そういう状況になっています。

人数でも、作業時間でも、もう差はつかない。

スライド「差がつくのは腕と頭」

じゃあ何で差がつくか。

道具は同じです。差がつくのは、腕と頭の使い方だけです。

スライド「AIに使われている状態」

ここで一つ、自分たちに正直になってほしいんですが。

AIを使ってますか?と聞くと、「使ってます」と答える人は増えてきた。でも実態を見ると、「とりあえずAIに聞いてみる」で止まっているケースが多い。

AIに作業を「お願いする」だけで、自分では何も考えていない。

それは、AIを道具として使っているんじゃなくて、AIに使われている状態です。

指示された通りに実装するだけ、言われたものをそのまま作るだけ、では価値が薄れていく。これは脅しじゃなくて、市場で実際に起きていることです。

スライド「これまでの採用・育成の考え方」

ここで、私自身の話をさせてください。

これまでの採用や育成の考え方として、プログラミングが一定レベルできれば、あとはスキルに見合った仕事をしてもらえばいい、という方針でやってきました。成長に細かく口出しすることもしてこなかった。

ただ、それを続けるわけにはいかなくなりました。

スライド「実装するだけのエンジニアはAIに置き換わる」

実装するだけのエンジニアは、AIに置き換わります。これは個人の能力の問題じゃない。市場の構造が変わったんです。

だから皆さんにお願いしたいことがあります。

スライド「上流の仕事を皆さん自身がやってほしい」

今まで上流の人たちがやっていた仕事を、皆さん自身がやってほしい。

要件を整理する、設計を考える、お客様に提案する。そういう仕事です。

「それは自分の得意なことじゃない」と思う人もいると思います。正直に言えば、やりたくないと感じる人も出てくると思っています。その気持ちは理解しています。

そしてもう一つ、正直に言わせてください。

これまで私は、皆さんにマネジメントを求めてきませんでした。実装ができればいい、スキルがあればいい、そういう環境を作ってきた。だからこそ、今さら「上流をやってくれ」「設計もやってくれ」と言われても、戸惑うのは当然だと思っています。

それは皆さんのせいじゃない。そういう環境を作ってきた私の話でもあります。

ただ、市場が変わった以上、我々も変わらないといけない。

スライド「苦手なことはAIが補完する」

苦手なことはAIが補完してくれます。設計の叩き台を作る、ドキュメントを整理する、アイデアを出す、全部AIに手伝わせればいい。いきなり完璧にやれとは言いません。

だから最初にやってほしいのは、自分の得意なことと苦手なことを正しく把握すること。その上で、苦手な部分をAIでどう補うか考えること。それだけです。

一つ忘れないでほしいのは、お客様は私たちを技術のスペシャリストとして頼ってくれているということです。そのスペシャリストがAIを活用できていなければ、仕事を頼む意味がない。それくらいの話になっています。

一緒に変わっていきましょう。

スライド「AIをチームとして動かせるか」

ここで視点を一つ上げて考えてほしいんですが。

「AIを使う」という話をしてきましたが、それだけじゃ足りないんです。

AIを使っている人は、もう世の中にたくさんいます。お客様も使っている。競合も使っている。「使えます」というだけでは差にならない。

じゃあどこで差をつけるか。

AIを自分のチームとして動かせるかどうか、です。

エンジニアであれば、コードレビューをするAI、設計の叩き台を作るAI、ドキュメントを整理するAI、テストを回すAI。自分の仕事を分業できるチームを、AIで作れる時代になっています。

一人なのに、チームで動いているのと同じアウトプットが出せる。

これが「単純にAIを使っている人」との差です。

そしてこれは社内だけの話じゃないです。お客様から見ても同じです。お客様自身もAIを使い始めている。その状況で私たちに仕事を頼む理由は、私たちがAIを使いこなして、お客様一人では出せないアウトプットを出せるからでなければならない。

スライド「AIというチームを率いるプレイングマネージャー」

私たちの価値を一言で言うと、

「AIというチームを率いて、一人では出せない価値を出す人間」

です。

作業者ではなく、プレイングマネージャー。自分も動きながら、AIに指示を出して、全体のアウトプットを最大化する。それが、これからの私たちに求められる姿です。

スライド「会社として何をするか」

では、会社として何をするか。

まず、AIを使うことを全員の前提にします。使う使わないの話はもう終わりです。

次に、「どう作るか」を自分たちで考える文化に変えていきます。言われたものを作るだけじゃなく、「こうした方がいいんじゃないか」を言える集団になる。

そして、お客様に提案できるチームを目指します。作業を受注するんじゃなくて、価値を提供しに行く。

この方向に会社として全力でサポートします。ツールの整備、勉強の機会、やり方のサポート、必要なものは一緒に作っていきます。

スライド「これはピンチじゃない」

最後に一つだけ言わせてください。

これはピンチじゃないです。

道具は全員に配られた。あとは使い方次第です。私たちにはすでに現場の経験がある。お客様との関係がある。実装力がある。

その上にAIというチームを乗せれば、一人ひとりが今の何倍もの価値を出せる。

スライド「楽して、楽しく、もっと大きな仕事を。」

楽して、楽しく、もっと大きな仕事をしていきましょう。

一緒にやっていきましょう。